
AfterImage|見慣れた日常に、別の見方を。
会議の環状道路

会議の机の外で、人とロボットが板の通路を組み立てています。話し合うことと、試せるものをつくること。その接点を、熱心な会議が巡り続ける風景に重ねて読む作品です。
作品について
大きな机に、資料とパソコン、カップが並んでいます。身ぶりを交えて話す人、説明を聞く人、図を指す人。濃紺と黄土色で描かれた場には、活発な会議の気配があります。円グラフや棒グラフ、矢印の図もそろい、話し合うための道具は十分に用意されているようです。
ところが、画面の下には「議題は、会議を減らす会議です。」という一文があります。改善のために集まることが、さらに集まる理由を生んでしまう。その可笑しさは、参加者が怠けているからではなく、皆が熱心に取り組んでいても起こりうるところにあります。
視線を机の手前へ移すと、別の作業が進んでいます。一人が金槌を持ち、ロボットが板を支え、外へ延びる通路を組み立てている。説明のための矢印とは違い、この板には足を載せられそうです。話を整理することと、実際に確かめられるものをつくること。その違いが、二つの場所に現れています。
もちろん、話し合う時間が無駄だと決めつけることはできません。立場の異なる人が、前提や心配を持ち寄ることには意味があります。ただ、共有した理解を、誰が、何で、いつ確かめるのか。そこが決まらないままでは、整った資料も次の議題として机に戻ってきてしまいます。
この人とロボットを、会議の代わりに正解をつくる特別な二者として見る必要もありません。話されたことを一つ選び、手を動かして、使えるかどうかを見てみる。AIは整理や案づくりを助けても、何を試すか、結果をどう受け止めるかは、人の判断と切り離せません。
紙の擦れを思わせる質感と、広告のように明快な構図が、身近な矛盾を軽やかに見せています。その先には、会議の数だけでは測れない変化もありそうです。集まった時間が、一枚の試作品や一度の実験につながること。机の外に延びる板は、その小さな接続として眺められます。
この会議のつづきは、どこにある?
話し合ったことを、実際に確かめる小さな一歩へ。いまの会議から持ち出せる問いを一つ選ぶとしたら。
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