
AfterImage|見慣れた日常に、別の見方を。
開封前の完成式

AIの箱を囲む式典の手前で、人とロボットが机に向かっています。導入を祝う節目と、現場で使い始める営み。その間の距離を、小さな作業の手触りから見つめる作品です。
作品について
赤いリボンを掛けた大きな箱。その前ではさみを構える人を、拍手が囲んでいます。箱には「AI」の文字。晴れやかな式典のすぐ手前には、紙に向かう人と工具を持つロボットがいます。一枚の中に、導入を祝う時間と、手を動かす時間が並んでいます。
新しい道具を迎えることは、一つの節目です。準備を重ねた人にとって、形になったことを喜ぶ理由もあるでしょう。それでも「導入完了。箱はまだ開けていません。」という言葉は、完成と呼んだその瞬間に、まだ始まっていない仕事があることを知らせます。
箱は大きく、リボンは華やかです。けれど、その大きさからは、日々のどの負担が減り、誰の判断がしやすくなったかまでは分かりません。手に入れたものは目に見えても、それが生み出す変化は別に確かめる必要がある。導入という出来事と、活用という営みの間にある距離が浮かびます。
手前の机には、紙、筆記具、パソコン、開いた工具箱が置かれています。何が完成するのかは、まだ描かれていません。その具体的で途中にある道具立てから、使う場面を考え、つくり、確かめながら整えていく時間を読み取れます。華やかな箱とは違う、小さな作業の手触りです。
人とAIが並んでいることも、AIさえあれば仕事が仕上がるという約束には見えません。現場の困りごとを言葉にし、試す対象を絞り、使ってみた結果を判断する。道具の能力を確かめることと、自分たちが変えたい仕事を確かめることは、行き来しながら進むはずです。
青と赤の鮮やかな対比は、記念すべき一日を印象づけます。その後も続く日常を想像すると、視線は箱から机の上へ戻ります。導入の報告に書けることだけでなく、明日の業務で一つ試せることへ。祝うべき節目を、実際に使い始めるための出発点として眺め直す作品です。
箱を開けたら、何を変えよう?
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